仙道の実践的な行体系の紹介を中心とする入門書です。仙道とは何か、といったことが仙人の超能力の逸話などを交えて紹介され、煉丹術や導引、拳法など仙道の周辺分野も取り上げられています。
実践面では、まず掌で気を感じるトレーニングから仙道の「気」の世界へと入って行きます。自分の掌で気を感じられるようになったら、それをコントロールしたりオカルト的なものに触れたり、他人と気をやり取りしたり、といった気功的なトレーニングで気の感覚をつかんでいく段階ですね。
気功で気の感覚を確かめてからは、この本の中心テーマである小周天から全身周天、大周天といった（内功による）周天法。特に最初の小周天に関しては姿勢や呼吸のコツ、食事や気の吸収による気の強化法など、小周天をうまく行うための工夫も説明されています。
神秘行に興味を持っている方なら、陽気の発生から、意識による移動、温養、と小周天の具体的な段階の記述を追っていくだけでも興味深いでしょう。そして、各段階のトレーニングも本当に「読めばできる」よう書かれているので、意外に簡単にその世界を体験することもできます（ただし小周天は心身への影響が非常に大きいある意味危険な行なので、あまり気軽にやるべきものではありません）。
小周天の次は、色々なルートで気をめぐらす全身周天、さらに小薬、大薬、大周天、出神までが紹介されています。これらの行に関しても、どういった現象が起こるか、またそのときの注意点などが具体的に書かれているので、読んでいるだけでも興味深いですね。
価格も安く気軽に読める「仙道入門書」として広く読まれてきた本です。
秘法超能力仙道入門―天地に充満する気を練成し超人になる
高藤聡一郎著、学習研究社、730円
