流行り病に倒れた姉を救うべく、黒猫に導かれて「月の船」に乗り天へ旅立つ幼い弟の短編メルヘン。ちょっと生意気な黒猫と、「星たまご」の美しくも悲しい運命が印象的です。
秋の深夜、森のそばの小さな町の宿屋で、少女は銀の鈴の音を聞きます。その音に誘われて外に出ると、出会ったのは一人の少年。そして、その少年が持つ銀の鈴を少女が振ってみると……。 月夜の幻想的な雰囲気に浸っていると、どこか物悲しい澄んだ鈴の音が聞こえてきそうな短編。
古典的RPG「ドラゴンクエスト２」をもとにした長編ファンフィクション。ファンフィクションと言っても、独自色の強い世界でシリアスな展開が続く本格ファンタジーです。圧倒的なのは、死と絶望に満たされた王女の存在感。物語の根底には、彼女の神秘的で悲しい魔力と生い立ちが流れています。