ネット時代における地方都市の現実

私は、時々ネットの掲示板で「新しい仕事」を探します。基本的に在宅勤務、しかもどちらかといえばエンターメント系。こうした条件で探すと、見つかることは見つかるのですが……。たいていは東京や大阪に「打ち合わせに来られる方」の募集だったりするんですよね。

さらに、そうした条件が明記されていない在宅可、とする企業に問い合わせても、(東京や大阪で)直接会って打ち合わせができないとちょっと、という話になってしまうことが多いのです。また、盛岡にはエンターティメント系企業がないので、そうした企業のアルバイトから始めて仕事を覚え、ステップアップしていく、ということも不可能。

私が盛岡に住み始めたのは、1995年。インターネットの爆発的な普及が今まさに始まろうとしていた頃です。将来は何らかの形でコンピューター関連の仕事をしたい、と思っていた当時の私は、地方での生活に多少不安を抱えながらも、こう思っていました。「これからは地方でもネットで情報をやり取りできるのだから、どこに住んでいるかはそれほど重要ではなくなるだろう」、と。同様のことを言う人は、当時結構いました(今でもいますか)が、私の実感としては少なくとも仕事に関しては必ずしもそうなってはいないのかな、という気がします。
もっとも、条件によっては、そうした「ネットによる地域格差の解消」が可能な場合もありそうです。その条件とは「既に実績がある人」「仕事がわかっている人」……。つまり、「それ以前」の状態である私は、盛岡にいる限りなかなか「スタート地点」に立つことが出来ないのです。

まあ、私の場合は仕事でなくても趣味でゲーム制作の真似事をしたりしていますし、地方都市の生活というのは「生活の質」という点では、かなり恵まれていますから、総合的に見て悪くはないのかもしれない、と思っているんですけどね。ただ、やはり掲示板で「東京や大阪の仕事」を見たり、テレビやネットで東京の「最前線」の様子を見ると、正直ふと「東京に住んでいたら」と思うことはあります。

これから先もずっと「地方都市在住の最下層プログラマ」として、細々とやっていくのか。あるいは、東京圏で多少なりとも「刺激」的生活を求めるのか。漠然とした「将来の不安」とともに、最近の私を悩ます問いですね。

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