携帯ゲーム移植

最近、携帯ゲーム開発、特に「移植」の仕事が増えています。既にあるiアプリをMIDP(S!アプリやオープンアプリ)に移植したり、あるいはその逆だったり。この場合は両方ともJava(CLDC)ベースで機能的にも比較的近いので、難易度はそれほど高くないのですが、やっかいなのはBREW(「一応」C++も使えるCベースの環境)ですね。
BREWは、iアプリ(Doja)やMIDPに比べると機能面ではかなり原始的というか低レベルのAPIが中心で、しかもそれをWindowsのCOM(ActiveX)のような「インターフェースもどき」で扱うという非常にわかりにくいものになっています。APIやら変数などの命名もWin32風で、簡単に言えば「Windowsプログラミングの醜い部分の寄せ集め」みたいなプログラミング環境です(^^;。まぁ、この点は慣れれば良いんですけどね。
iアプリも、コーディング自体は割としやすいのですが、「サウンドファイルの形式が機種によって違う」という、唖然とするような迷惑仕様なので、機種の判別や機種別リソースの扱いなどゲーム本体とは別の部分で「面倒」を強いられます。結局、一番やりやすいのは、MIDPですかね。機能面でも、パソコン版Javaに近く素直でわかりやすいですし。

さて、携帯プログラミングの仕事ですが、開発の規模はそれほど大きくなく、ゲームも簡単なアクションゲームが中心で高度なシステムを組み込むこともあまりないので、難易度としてはそれほど高くありません。プログラマ志望の方は、まず無料で利用できるMIDP開発環境でしばらく遊んでみて、面白いと思ったら携帯ゲームプログラマを募集している会社に入ってみるのも手でしょう(さまざまな実機での動作状況を見てみたり、先輩からノウハウを直接吸収するためにも、最初はアルバイトや契約社員などで会社で仕事をした方が良い)。
将来性という点でも、しばらくは「携帯アプリ」の需要は相当強そうですしね。

私の場合、仕事の流れは

  • 企業側から案件の提示
  • 納期や開発報酬の提案、もしくは向こうから提示された条件の承認
  • 契約条件を決定し、開発
  • 一通り完成したら、動作テストと修正
  • リリースとリリース後のメンテナンス(不具合修正や新機種対応など)

といった感じになります。基本的に在宅勤務ですが、実機でのデバッグなどのために出社することもあります。期間としては、ゲーム全体の移植で1-2ヶ月、小規模なものでは2週間程度ですね。ただ、BREWの場合はコンテンツプロバイダとして登録しているゲームメーカーが案件を提案しKDDIの審査に通ってから開発、アプリについても審査後にリリース、という流れなので、開発期間自体は短くてもお話をいただいてからリリースまでかなりかかる場合もあります。
現在お付き合いしている企業は、いずれもネット上のゲーム開発者募集掲示板で問い合わせを出したことをきっかけに仕事を請けるようになりました。

携帯ゲームプログラマの求人数はそれなりにあるようですし、小規模な案件が多いのでプログラマの出発点としては取り組みやすく、将来在宅勤務中心に移行することを見据えて経験しておいても損はない分野といえるでしょう。

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