PHP5のバージョンに注意

現在の格安レンタルサーバーで利用できるPHPは、基本的に「PHP5(PHP5.x)」になっていると思います。一部のレンタルサーバーでは、従来のソフトの互換性に配慮してPHP4「も」使える、あるいはPHP4が標準でPHP5「も」使える設定になっている場合がありますが、PHP4はメンテナンスも終了している古い環境です。
基本的に新しくPHPで開発を行う場合は、PHP5での開発になるでしょう。

ですから、Webアプリケーションの開発を目的にレンタルサーバーを選ぶ際もPHP5が使える、それもなるべく使いやすい形で「標準」対応しているところを選んだ方が良いと思います。レンタルサーバーによっては、PHP5は特別な拡張子でないと使えなかったり別途.htaccessファイルなどで設定が必要になる場合もあるので。

ただ、PHP5なら何でも良いか、というとそうでもありません。2009年に発表されたPHP5.3では大きな機能拡張が行われ、文法レベルの差異がかなりあるのです。その差は、プログラム開発の手法自体を変えてしまうもので、事実上はメジャーバージョンアップ(PHP6)に近いと言えるかもしれません。

特に、新機能で大きいのが名前空間のサポートやgoto文の追加でしょうか。名前空間が使えるようになったことで、PHPのクラスや定数を機能や目的毎に分類して扱うことができるようになります。
多数のクラスを抱えるクラスライブラリも、体系化され扱いやすくなるかもしれませんし、他人のプログラムを使う際に「同じ名前のクラス(クラス名の衝突)」に悩まされる機会も減るでしょう。

goto文は「goto不要論」が以前からあったりしますが、深い階層のネストを制御するときにはやはりあると便利ではあります。

もちろん、PHP5.3の新機能は「使わなければならない」ものではありませんし、基本的にPHP5.2までのプログラムも動くようになっているので、従来型の開発手法もそのまま使えます(一部の非互換部分に注意すれば)。ただ、新機能を使えばPHPプログラムを見通しよくすっきりと書ける「可能性」が高まりますから、特に環境が限定されていない新規のWebアプリケーション開発を行うのなら、PHP5.3の環境ではじめるのが良いのではないでしょうか。

格安レンタルサーバーの中には「PHP5」とあるだけで、サブバージョンが明記されていない場合もあるので、事前に確認するようにすると良いでしょう。ただ、残念ながら現在はPHP5.2系のレンタルサーバーも多いようです。

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