計算と変数

99BASICの利点の一つは、式やコマンドをすぐに実行できるダイレクトモードの存在でしょう。ダイレクトモードでは、BASICの文を入力すると直ちに結果が返ってくるので、99BASICに用意されている多彩な機能を気軽に試して遊ぶことができます。
今回は、そのダイレクトモードでプログラミングの最も基本的な部分である「計算」「計算結果の記憶」を試してみることにしました。

99BASICでは、四則演算をはじめとする各種の計算を行うことができます。たとえば、

PRINT 2 + 3

と入力しリターンキーを押してみてください。「5」という「2+3の計算結果」が表示されましたね。続いて

PRINT 5 - 3

はどうでしょうか。今度は「5-3の計算結果、2」が表示されるはずです。このように、99BASICでは加算(足し算)と減算(引き算)は、普通の書き方とまったく同じように「数字 +や-の記号 数字」といった形で書けば、そのまま計算することができます。もちろん

PRINT 5 - 3 - 1

などと3つ以上の数の計算も可能です。

さらに、計算を行うときには括弧を使うことも可能で

PRINT 5 - (4 - 2)

などとすれば、ちゃんと「3」という答えが返ってきます。ただ、普通の数式では「括弧の中の括弧」が出てくる場合は中括弧や大括弧という、別の記号を使うこともありますが、99BASICではすべて()を使います。

PRINT 5 - (4 - (2 + 1))

括弧が入り組んでくると、ちょっと見辛くなりますね。複雑な式を扱うときは、「変数」を使うと便利です。変数とは、計算結果などを記憶しておくもので、電卓のメモリ機能のようなもの。たとえば、

A = 2 + 1

と入力し、リターンキーを押してみましょう。画面には何も表示されませんが、これでAという変数に「2 + 1」という式の値(2 + 1の計算結果である3という数値)が格納されました。この状態で

PRINT 5 - (4 - A)

としてみましょう。A=3、の状態で計算され結果が表示されたと思います。このように、変数を使うと計算結果を保存しておいて別のところで使うことができるので、複雑な計算もすっきりと書くことができるようになります。さらに、電卓だとメモリの数は限られていますが、99BASICでは別の名前をつければいくつでも(実際には、名前に使える文字数に制限があるので、無限に変数を作ることはできませんが、実用上は十分でしょう)変数を作ってそれぞれに別の値を記憶させておくことも可能です。

括弧や変数を使うとかなり複雑な式を割とすっきり書けますし、途中の計算結果を変数に記憶しておいて何度も使いまわすこともできるので、99BASICのダイレクトモードは「電卓」としても使えそうですね。

最後に、乗算(掛け算)と除算(割り算)を試してみましょう。乗算と除算も加算と同様「数字 記号 数字」といった形式ですが、その記号は乗算では*、除算では/になるので、注意が必要です。たとえば、以下のような文を入力しリターンキーを押してみてください。

PRINT ((2 + 3) * 3) / 5

これは、括弧の中が順次計算され

((2 + 3) * 3) / 5
 ↓
(5 * 3) / 5
 ↓
15 / 5 = 3

となるわけですね。

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