プログラマの給料もアルバイトだと……

一部には、プログラマと言えば「IT業界のプロ」、専門職として高い報酬を得ている……といったイメージがあるようです。確かに、専門家として高い給料を稼ぐ本物(?)のプロもいるのですが、アルバイトの形で募集する場合だと専門家というより「作業員」を求めている場合が多いでしょう。

作業員というのは、「プロ」が作った設計図をもとにコードを書く人いわゆるコーダーとしてのプログラマです。それも、高い専門技術は前提としないで、比較的開発しやすいHTML/JavaScriptやスマートフォンの画面回りなどのプログラミングを行うプログラマですね。

この場合、アルバイトの時給はいくら位なのでしょうか? 答えは……「普通」かそれ以下です。つまり、「ファーストフード店のアルバイト」以下。時給1000円以上という募集が多いですが、900円というのも珍しくありません。アルバイトも人手不足で時給は上昇基調、というニュースを目にするようになりましたが、作業員プログラマのアルバイトでは、まだそうした傾向はないようですね。

まぁ仕事としては、それほど「高度な専門知識」を要さないコーディングを黙々と続けるだけだったりしますから、そんなものかな、という気はするのですが。アルバイトであっても勤務時間はフル勤務に近い形で募集する企業だと、「開発能力が高い人は専門家として育てる正社員、単純作業員はアルバイト」といった分類になっていることもあるようです。

プログラマという仕事の特徴は、能力や経験による開発力の差が極めて大きいことです。普通の人が1週間かけて作るプログラムを半日で作る、という人もいれば、何年やってもなかなか「手早い」開発ができない人もいます。そして、企業にとっての成果はあくまでも実際にその人が開発したプログラムですから、成果に対する報酬である給料にも大きな差が出てくるわけです。

アルバイトの求人を見ていると、時給1000円から3000円などやけに「幅」が広い募集があることに気が付くでしょう。それは「普通の単純作業員」だと時給1000円程度だけど、本物の専門家として「成果」を出せば時給3000円(以上)を支給します(企業としても3倍の給料を払う価値がある人材)ということです。

といっても、高い給料を得られるプログラマはごく一部。アルバイトとして募集する場合は、時給1000円程度で簡単なプログラムを量産する「製造工場」の作業員が求められることも多い、という現実は意識しておく必要があると思います。

なお、募集記事に「社員登用の道あり」とある企業の場合は、正社員として迎えることを前提に一種の試用期間としてアルバイトの形で雇う場合もあります。特にフル勤務アルバイトに応募する際は、その会社の「一員」として長く続けたいか、応募する前に考えてみるのもよいでしょう。

プログラマのアルバイト事情