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ペプチドがんワクチンの臨床試験

2011年11月13日、がんワクチンを始めとする医薬品開発ベンチャー企業オンコセラピーサイエンスは、同社が行っているペチプドを使ったがんワクチンOTS102の臨床試験に関する経過報告を行いました。

OTS102は、がんが新しい血管を作るのを阻害して腫瘍を治療するタイプのがんワクチンです。ペプチドを有効成分とするワクチンを皮下注射し免疫細胞に「(がん腫瘍の内部にある)血管を新しく作ろうとしている細胞」への攻撃を促すことでがんの増殖や転移に必要な血管の新生を抑え、がん治療を目指します。

免疫細胞を活性化させる点は他の免疫療法と同じですが、がん細胞そのものへの攻撃性を高める通常の免疫療法とは異なり、血管の新生を抑えることに重点をおいているのが特徴でしょうか。

OTS102は既に医療機関での臨床試験が行われていて、この度「第三者機関である効果安全性評価委員会におきまして第2回中間解析(有効性の評価)」が行われました。その結果「試験計画時に想定した本剤の有効性を検証するためには、予定通り、試験を継続する旨の勧告を受け」たそうです。つまり今後も臨床試験を行い有効性や安全性の検証を続ける、ということですね。

多様ながんワクチンの開発で裾野を広げてきたがんの免疫療法。臨床試験が順調に進んで、実際に治療効果が確認できれば、また一つ新たな選択肢が加わることになるのでしょう。